【ヨガ哲学】ヨーガスートラにおけるチッタ(心)とは?

 

ヨガの古い経典「ヨーガスートラ」の第1章2節にはヨガの目的が書かれています。

「ヨガはの波(反応)を止めること」と。

そして、同経典第1章4節には「心の波(反応)を止めなければ、自分自身と心が混合し、苦悩するでしょう」と書かれています。

今回はヨガにおける「チッタ」についてのおはなしです。

ヨーガスートラのチッタ(心)

ひとくちに「心」といっても、人それぞれ解釈に違いがあると思います。

それに、冒頭で紹介した文章、

「心の波(反応)を止めなければ、自分自身と心が混同し、苦悩するでしょう」

この文章を読むと「自分自身と心?自分自身=心だろうし、混同ってどういうこと?」と感じるほうが自然ではないでしょうか。

でも、ヨーガスートラにおけるというものは、「自分自身」とはちがう別のものと考えます。

いまいちわかりませんね。。。

チッタを知ることで、この文章の意味もみえてきます。

もうちょっと詳しく紐といていきましょう。

チッタ(心)は分けて考える

ヨーガスートラの哲学では、チッタは次の3つの要素を統合したものと考えられます。

ちなみにヨーガスートラの哲学っていうのは「サーンキヤ哲学」です。

ヨーガスートラがヨガ実践のための経典なら「サーンキヤ・カーリカー」はヨガの哲学の経典のことです。

■ブッディ

■アハンカーラ

■マナス

■ブッディ

ブッディは「知性や感性」を担当する器官です。

簡単にいうと、「考えること」「推論すること」でしょうか。

ある意味、文明は「ブッディ」があるからこそ発展していったんですね。

これは一説ですが、古代エジプト人が発見した太陽暦のはなしです。

ブッディによる文明の発展

ナイル川がいつも暑い時期にあふれて洪水になるときに、必ず地上から最も明るく輝く星「シリウス」も空に見える。

そのふたつの事柄が、「なんでいつも同時なんだろう」と疑問におもった人がいます。

その人は星の動きを観測するようになりました。

すると同じところにシリウスが来るまでに約365日かかったことがわかったんです。

1年の発見」です。

いわゆる「太陽暦」の発見ですね。

こんな感じで、考えることは新しい発見や創造性を生みます。

これが「ブッディ」です。

ブッディの働きがあるからこそ、火を恐れずに火を扱い、道具をつくり、人類が発展してきました

■アハンカーラ

アハンカーラは「自我意識」です。

自分(対象となる事象)が自分だと認識することを担当しています。

自我意識の対象になる事象とはどういうことか、あたまを整理しつつ、みていきましょう。


例①「ステーキが食べたい」という欲望を「ステーキを食べたいと思っているのは私だ」と認識することで「私はステーキを食べたい」という心となります。

むずかしいですね、、、

もうひとつ例を出してみましょう。

例②「あの人がいやなことを言ってくるのはなんでだろう」という思考を「なんでだろうと私は考えている」と認識し「私はあの人がいやなことを言ってくるのはなぜか考えている」という心になります。


なんとなくわかりましたか?

アハンカーラの働きがつよいことは、自己に対する強い執着をもってしまいます。

自我ではないものを自我だと思い込んでしまい行動することは、自分本位な思考や行動を生みだしてしまうんです。

あなたは本当にステーキを食べたいって思ってますか

他人がいやなことを言ってくることをいちいち気にしてますか

 

「欲望」や「思考」第3者目線でみることが大切です。

■マナス

「反応する心」「感情的な部分」の役割があります。

マナスは外からの刺激によって、とても速いスピードで答えをだします。

それは経験や記憶から頭で考えるよりも先に来るものです。

例えば、桜を見たらすぐに「綺麗」と感じますよね。

それがマナスです。

マナスの欠点2つ

でも、反応のスピードが速い分まちがえるという欠点もあります。

子供のときに壁のシミが人の顔にみえて怖いと思った経験はありませんか?

インドの古典的で有名な話で「ロープと蛇を勘違いする」おはなしがあります。

よく確認もせずに、蛇だと思っておどろいて逃げてしまうおはなしです。

「勘違い」や「見間違え」でうろたえてしまうんです。

ただ、こういうマナスは人間が生きていくうえで必要なんです。

危険だと思った瞬間に逃げたり対処をしないと、たいへんなことになりますからね。

マナスにはもうひとつ欠点があります。

過去と経験から自動的に導き出すので、「いまの自分の状態に合わない答え」もだしてしまいます。

それは「期待」→「失望」という流れをひきおこします。

チッタの3要素を制御する

以上、チッタの構成要素を説明しましたが、なんとなく雰囲気はつかめましたか?

ちょっとややこしいし、なんども読み返さなければわからないかもしれません、、、

で、ここまでなぜチッタの3要素を説明したのかです。

それは心を制御するためです。

心っていうのはまちがえやすいんです。

まちがってしまわないためには、まず心の種類を知ることが必要だとおもったからです。

ヨガの目的

冒頭の「心の波(反応)を止めなければ、自分自身と心が混同し、苦悩するでしょう」

という文章の「自分自身と心が混同し、苦悩する」とはどういうことか。

まだ解決できていませんでした。

 

「混同」っていうのは、区別するべきものが混じりあうことの意味です。

つまり、これまで説明したとおり「自分自身」と「心」はヨガ的に区別するものなんですね。

さきほどもいいましたが「心はまちがえやすいもの」。

まちがって、自分の心じゃないものを自分の心と感じてしまう悲しんだり喜んだり怒ったり、感情の上下が激しくなり日々が疲れてしまうんです。

悪いことばかりではありませんが、ヨガとしては「穏やかな生活」が目的ですから感情にふりまわされないことが大事になります。

ヨガで自分を見つめなおし、自分に集中することで、自分の「本当の心」と「そうでない心」を一歩引いた状態で見極めることができるようになります。

これが「ヨーガスートラ」第1章4節に書かれている内容の意味です。

さいごに

少し長かったですね。

お疲れさまでした。

ヨーガスートラ」では、このチッタを構成する3つの要素を抑制・制御しなければなりませんし、チッタの3つの構成要素は知っておくべきとされます。

知っておかないと、制御することがむずかしくなるんです。

車を運転するときだって、構造や運転方法など詳しく知っておくほうが確実に操作できますよね。

人間だって、自分の心の構造を知り、理解することが重要です。

そして、なにごとにも一喜一憂せず、よりおだやかに過ごすための第一歩ともいえます。

すこしややこしい話ではありましたが、ヨガの目的を深く読み解くために大事なチッタ(心)のおはなしでした。


ゆいこヨガチャンネル

YouTubeへ

よかったらチャンネル登録お願いします


  • この記事を書いた人

YUICO

元ヨガ講師。産後の体型を改善しようと自主トレを続け、物足りずジムに通うも、育児・仕事との両立が大変に。そこでオンラインフィットネスに出会う。ライフスタイルを大切にしながら、現在164cm,52kg,体脂肪21%と健康的で女性らしい数字を手に入れ、フィットネスの魅力にハマる。

-自宅ヨガ